長野のAです。
最近、長野県の地元新聞では、「オオルリシジミ」という蝶の話題がよく掲載されます。
この蝶は全国的にも絶滅危惧種に指定されていて、熊本の阿蘇地方、長野県の安曇野、東御市のみで生息し保護されている希少な蝶です。
それが、このたび長野県の飯山市という場所で見つかり、蝶に無関心な人もなんとなく名前くらいは知るようになりました。
先日、この蝶を市をあげて保護しようということで、大学の教授や保全団体の方を呼んでのシンポジウムが開かれました。
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この蝶は昔はかなり広範囲に生息し、珍しい種類ではありませんでした。
絶滅に追い込まれた一番の理由は、里山が放置されたことのようです。

昔は、山の木を適度に伐採したり、馬や牛のために草原を整備したりと人がかかわってきた場所にこの蝶も生息していました。
この蝶に限らず、草原性の蝶は現在絶滅に瀕しているようです。(オオウラギンヒョウモンなど)

今は、森や林は下草が伸び放題、こぞって植えた杉林は放置して、間伐や枝打ちもしない。(スギ花粉が多いのもこのためだと言われています。)放牧はしないので、草原は荒地と化してしまいました。

「自然を大切に」といっても原生林を守るのと、里山を守るのとでは意味が違い、里山は弥生時代から手を入れるからこそ保全されていたということです。
最近は「自然を守る」=「手を付けない」という方程式は必ずしも成り立たないという認識が出て、外来種の撤去や、野焼きなどが行われてきています。
我々も「自然」の本質を考え、環境問題を後世に引きづらない努力が必要だと思います。